VOOはアメリカの大企業500社で構成されるS&P500と連動するように設計された海外ETFです。
アメリカの大企業といえば、マイクロソフトやGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)などの世界的IT企業を筆頭に、ジョンソン・アンド・ジョンソンやJPモルガンなど誰もが名前を知っていて、ビジネスモデル的にも非常に優秀な企業が多く、グローバルなスター企業に投資するような感覚ですね。
世界一の経済大国であるアメリカの株式市場全体に投資できるETFとして人気を集めています。
管理人もメインの投資先にしているETFですので、本ページではVOOの特徴やリターン、配当、買い方などについて見ていきたいと思います。
目次
VOOの基本情報
まず、VOOの基本情報を見ていきます。
■VOOの基本情報(2019/4/22時点)
ベンチマーク | S&P500 |
---|---|
運営会社 | バンガード |
構成銘柄数 | 510銘柄 |
分配金回数 | 4回/年 |
分配金利回り | 1.92% |
純資産総額 | 1,076億ドル(2019/03/29) |
設定日 | 2010/09/07 |
経費率 | 0.03% |
出典:バンガード
VOOは持続的に力強い成長を続けるアメリカ市場全体に投資でき、それでいて経費率も非常に安い、収益性とコストのバランスが良いETFです。
これまでも0.04%とほぼノーコストと言ってよいほどの経費率水準でしたが、2019年4月に0.03%に引き下げられました。
後述するiシェアーズS&P 500(IVV)という同じS&P500に連動するETFと激しくコスト競争をしていて、今後も最安水準を維持していくでしょう。
純資産や取引量も数ある海外ETFの中でも高く、十分な流動性が確保されています。
VOOの構成銘柄・投資セクター
VOOの構成上位10銘柄は以下のようになっています。
VOOの構成上位10銘柄
■VOOの構成上位10銘柄(2019/4/22時点)
銘柄名 | 構成比率 | 業種(セクター) |
---|---|---|
マイクロソフト | 3.8% | 情報技術 |
アップル | 3.6% | 情報技術 |
アマゾン | 3.1% | 情報技術 |
1.7% | 通信サービス | |
バークシャー・ハサウェイ | 1.6% | 金融 |
ジョンソン&ジョンソン | 1.6% | ヘルスケア |
アルファベット(C) | 1.5% | 通信サービス |
アルファベット(A) | 1.5% | 通信サービス |
エクソンモービル | 1.4% | エネルギー |
JPモルガン・チェース | 1.4% | 金融 |
出典:バンガード
マイクロソフトやアップル、アマゾン、Google(上場している会社名はアルファベット)など、世界的に有名な企業の名前が並びます。
また、これら上位10銘柄の構成割合は19.9%となっています。
VOOのセクター別比率
セクター別に見ると比率は以下のようになります。
■VOOのセクター別比率(2019/4/22時点)
セクター | 構成比率 |
---|---|
情報技術 | 21.2% |
ヘルスケア | 14.6% |
金融 | 12.7% |
一般消費財 | 10.2% |
通信サービス | 10.1% |
資本財 | 9.5% |
生活必需品 | 7.3% |
エネルギー | 5.4% |
公益 | 3.3% |
不動産 | 3.1% |
素材 | 2.6% |
出典:バンガード
セクター比率はS&P500のセクター比率と一致しています。
VOOの過去チャートと期待リターン
VOOの過去5年チャートを見ると以下のようになっています。
■VOO過去5年のチャート(基準日:2019/4/22)
VOOが連動するS&P500はここ5年で約70%も上昇しており、VOOの年率リターンも14%超えをしています。
インデックス投資でありながら驚異的なリターンを記録していますね。
全世界に分散するETFなどと比べてもリターンは極めて高く、それでいて低コストの魅力的な投資対象です。
このような伸びが永遠に続くことはありませんが、世界一の国の株価指数ですので、株式の期待リターンである7%の利回りは見込めると考えてよいでしょう。
リーマンショックをはじめとして、短期的な大きな下げを何度か繰り返しつつも、長期的には右肩上がりのチャートになっていて、安心して投資できる投資対象といえます。
投資元本を2倍にするには、利回り7%であれば約10年、利回り14%であれば約5年かかります。
(資産運用の世界で「72の法則」があり、「72÷利率」で投資元本が2倍になるまでの年数がわかる)
年に7%値上がりした場合
100万円の投資元本は5年後に140万円(+40万)、10年後に197万円(+97万)
年に14%値上がりした場合
100万円の投資元本は5年後に193万円(+93万)、10年後に371万円(+271万)
利回りの差が2倍でも10年後の利益の差は約3倍になっており、複利効果がとにかく大きいことがわかります。
長期投資では複利(時間)を味方につけることができるので、できるだけ安定した利益が見込め、かつ低コストの投資対象はとても魅力的です。
そういう意味でVOOは理想的な投資対象の1つです。
VOOの分配金履歴と配当利回り
VOOの分配金利回りは1.92%(基準日:2019/4/22)となっています。
分配金は3・6・9・12月の後半に出されていて、分配金履歴は以下のようになっています。
日付 | 分配金額 |
---|---|
2019/03/21 | 1.4551ドル |
2018/12/17 | 1.289ドル |
2018/09/26 | 1.2067ドル |
2018/06/28 | 1.1573ドル |
2018/03/26 | 1.0837ドル |
2017/12/26 | 1.1839ドル |
2017/09/20 | 1.176ドル |
2017/06/23 | 1.01ドル |
2017/03/22 | 0.998ドル |
2016/12/22 | 1.296ドル |
2016/09/13 | 0.883ドル |
2016/06/21 | 0.953ドル |
2016/03/21 | 1.006ドル |
2015/12/21 | 1.092ドル |
2015/09/21 | 0.953ドル |
2015/06/22 | 0.902ドル |
2015/03/23 | 0.984ドル |
VOOは分配金が多い銘柄ではありませんが、株価同様に右肩上がりで分配金額を増やしてきています。
「VOO」と「VTI」の違いや比較
同じバンガードのETFとして「VTI」とVOOを比較検討している人も多いと思います。
VTIはアメリカの株式市場全体に連動したETFです。
VOOが連動するS&P500はアメリカの大企業500社で構成されているので、アメリカ市場全体(VTI)に投資するかアメリカの大企業500社(VOO)に投資するかという違いがあります。
VTIはアメリカ市場すべてに投資することになりますが、VOOのS&P500は市場全体の80%が投資対象になっています。
構成銘柄数、経費率、資産残高については以下のようになっています。
項目 | VOO | VTI |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | |
ベンチマーク | S&P500 | アメリカ市場全体(CRSP USトータル・マーケット・インデックス) |
構成銘柄数 | 510 | 3,654 |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
純資産総額 | 1,076億ドル(2019/03/29) | 2,386億ドル(2019/03/29) |
VTIが小型株や将来の成長企業となるベンチャー企業も対象になるのに対して、VOOは大企業500社にのみ投資をしています。
VOOでも十分に分散投資ができていると考えることもできますし、あくまでアメリカ市場全体に投資するという考え方を守るならVTIと考えることもできます。
どちらに投資するのかは投資におけるスタンスや好みによって変わってくるでしょう。
VOOとVTIのリターンの違い
なお、VOOとVTIの過去5年リターンを見てみると、直近5年についてはVOOの方が高くなっています。
■VOOとVTIのリターンの違い(基準日2019/4/22)
騰落率 | VOO | VTI |
---|---|---|
1年 | 13.58% | 12.62% |
2年 | 28.49% | 27.43% |
3年 | 48.93% | 48.69% |
5年 | 72.81% | 69.29% |
これだけを見るとVOOの方が有利ではありますが、相対的に小型株投資への比重が多いVTIの方が有利と主張する人もいます。
「VOOかVTIか」というところよりも、「アメリカ」への投資割合や、株式をどれだけポートフォリオに組み入れるのかを検討する方が投資成績には影響大といえます。
私の場合はより優良企業に絞って投資できるVOOに投資しています。
VOOとVTIの両方に投資している方も多くいらっしゃいますが、私は投資資金と手数料効率の関係でVOOのみに投資しています。
(各ネット証券の外国株には最低手数料があるため、一定数量以上を買うほうが良いため)
「VOO」と「IVV」の違いや比較
また同じS&P500に連動するETFとしては、「IVV」とVOOを比較検討している人も多いでしょう。
IVVはVOOと同じ「S&P500」に連動する海外ETFです。
違いは運用会社で、VOOはバンガードが運営し、IVVはブラックロックが運営しています。
それぞれの経費率、資産残高を見ると以下のようになります。
項目 | VOO | IVV |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | ブラックロック |
経費率 | 0.03% | 0.04% |
純資産総額 | 1,076億ドル(2019/03/29) | 2,386億ドル(2019/03/29) |
経費率はわずかにVOOの方が低くなっていますが、もともとはIVVの方が経費率が安かった時もあり、2社で経費率を競っている状況です。
どちらが良いというわけではありませんが、2社にはこのまま健全な競争を続けてもらって、投資家に最低コストで投資できる環境を提供し続けてほしいですね。
また、設定時期が早いこともあり資産残高はIVVの方が多くなっています。
いずれにしろ十分な資産残高があり、どちらも順調に伸びているため、1個人投資家が投資する上では全く問題ない流動性は確保されていると言えるでしょう。
2つの海外ETFのどちらを選ぶかは好みの問題と思いますが、私はより経費率が低いVOOに投資しています。
投資銘柄を変更するのは管理上面倒なので、VOOとIVVに大きな違いが出ない限りはVOOに投資を続けようと考えています。
VOOの買い方
- ネット証券で総合口座を開く
- 外国株口座を開く
- 為替取引でドルを買う(円貨で直接米国株を買うこともできる)
- 注文を出して米国株(VOO)を買う
VOOはアメリカ市場に上場する海外ETFで、分類上は外国株式になります。
外国株式はいくつかの証券会社で取引可能ですが、おすすめはネット証券です。
国内株よりも手数料は高くなりますが、他の証券会社では取引手数料はさらに高額ですし、特定口座に対応していなかったり、取引にも制限が多くかなりサービスに差があります。
SBI・マネックス・楽天がおすすめ
大手ネット証券ではSBI証券、マネックス証券、楽天証券で取引できますので、これら3社から選ぶのが安心です。
取引手数料は3社横一線ですが、おすすめは為替手数料を安くすることができ、後述する積立投資も可能なSBI証券です。
SBI証券ならネット証券最大手で他社以上のサービスを提供することにこだわっているので、常に最高峰のサービスを受けることができ安心感があります。
VOOを買うには、まず各ネット証券の総合口座を開設後に会員サイト内で外国株式口座を開きます。
その後、円から米ドルに為替取引をして、外国株式取引用のサイトから注文を出して海外ETFを買い付けます。
米ドルを買い付ければ、後は国内株と同様に銘柄コード(ティッカー)を入力して銘柄検索をして買い注文を出す流れなので、国内株の取引をしたことがある人なら戸惑わないと思います。
VOOは積立投資できる?
- VOOはETF(米国株式)なので純粋な積立投資はできない
- SBI証券の定期買付サービスでほぼ積立投資は実現可能
長期投資をするなら、毎月決まった額を投資していく積立投資をしていきたい投資家が多いと思います。
ですが、海外ETFのVOOは株式なので、投資信託のように厳密な意味での積立投資をすることはできません。
ただし、SBI証券では毎月決まった日に一定株数を買付けする「米国株式定期買付サービス」があります。
定期買付サービスを利用することでほぼ積立投資を実現することができます。
(厳密に毎月の投資額は同じになりませんが、一定株数を買い進めていくことができる)
投資をしくみ化できますので、手間をかけずに投資を進めていきたい人はぜひ活用してみてください。
マネックス証券、楽天証券も取引手数料が安く、それぞれに特徴があります。
マネックス証券は注文方法が多彩で注文条件も有利になっています。米国株の取扱銘柄数も3社で最も多いので、取引条件にこだわりたい人におすすめです。
楽天証券は取引画面が国内株式と同じで使いやすく、取引画面が使いやすいところを利用したい人におすすめです。
SBI証券は上述した通り、為替コストが安く、定期買付サービスがあるなどサービスも充実しています。最もバランスが良いと思いますのではじめて米国株取引をする人や迷ったらおすすめです。
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